病薬ひろば

薬剤師を目指す方へ

2020年03月16日
薬剤師を目指す方へ  長野県立信州医療センター 笠原 幸子

HP委員会


和気あいあいとした職場です。
(筆者は前列左から2番目)

 病院薬剤師を主人公にした漫画、荒井ママレさん作『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』がドラマ化され、最近話題となっています。“縁の下の力持ち”として患者さんのために奮闘する病院薬剤師の姿が描かれています。
 そのキャッチコピーの通り、薬剤師の仕事は目に見えにくいものが多いです。私も病院薬剤師として、どのように患者さんと関わっていけばよいかを考えながらこの一年仕事をしていました。その中で、医療はチームで行っているのだということを感じました。検査、手術、リハビリ、栄養療法、日々のケアなど、様々な職種の人々が様々な視点から患者さんをみることで治療の成功につながり、どの職種も決して欠かすことができないメンバーなのだと実感しました。
 そこから私も、薬剤師は「薬の専門家」であるということを一番念頭に置いて仕事をしています。容態が急変した患者さんに対し、まず「薬のせいで起きている症状ではないか」を考えます。薬がちゃんと飲めてなかったことによる症状の悪化か、また、過量投与による副作用の可能性はないか、などを確認します。その後、薬物治療が開始となる際は、患者さんにとってその薬が最も適切であるか、用量・用法、併用薬に問題はないか確認します。そして、患者さんに治療の意義や薬の効果、副作用の注意点などの説明をし、その後も安全に治療が行われるよう経過をフォローします。さらに、退院前には患者さんが退院後も薬物治療を続けられるように、ご家族を含めてサポートしていきます。
 このように「患者さんを中心とした治療」の中で、唯一真っ先に薬剤の観点から患者さんに関わるのが病院薬剤師の役割だと思っています。チーム医療の一員として専門性を発揮し、患者さんに貢献できた時が一番やりがいを感じる瞬間です
 答えのない問題に自分の無力さを感じることもありますが、毎日学びのある素敵な職業です。皆さんもこんな薬剤師になりたいという理想を持って、患者さんのためはもちろん、自分のための人生を切り開いていってください。
 (明治薬科大学 2019年卒)

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     調剤業務の様子です。

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     先輩薬剤師の皆さんから日々、様々なことを教わっています。

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     病院祭では「薬剤師のおしごと体験」と題し、地域の方々にチョコレートの分包体験と練り香水作りを体験していただきました。

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     「薬剤師のおしごと体験」コーナーには、子どもたちもいっぱい来てくれました。