病薬ひろば

調剤機器

2016年02月20日
散薬調剤ロボット DimeRo:ディメロ

ウェブマスター


散薬カセット棚からロボットアームがオーダー情報によって取り出され調剤される散薬調剤ロボット。

散薬調剤ロボット「DimeRo:ディメロ」

 調剤系の機器といえば古くは散薬分包機から自動錠剤分包機、アンプル払い出し機までは導入している施設も多いようです。そこから発展してPTP払出や抗癌剤混合調整機などが機械化されています。
 今回紹介するのは当院で調剤業務の補助目的に今年度導入した散薬ロボットを紹介します。
 この散薬調剤ロボットは電子カルテのオーダー情報から薬剤師が処方監査後に薬品の選択→秤量→配分/分割→分包といった一連の作業をロボットが行うシステムです。今回電子カルテシステム(EG-MAIN_GX:富士通製)との接続インターフェイスを構築。処方監査後に速やかに処方情報がDimeRoに流れていきます。
 散薬カセット(最大30種類)を工業用ロボットのアームで取り出し最大6種類の薬品を秤量することができます。小児科のような少量の薬品もある程度パラメーター設定(当院では全量1.2g以上)により大部分のオーダーが調剤可能となっています。また洗い用カセット(重曹等)もあり必要に応じて運用が可能となっています。
 導入から2ヶ月経ちますが各薬品のパラメーター設定(マスター)がおおよそ完了し順調に稼働しています。実際には1日の散薬の60〜65%を散薬ロボットで調剤し、残り(つぶし等も含む)を薬剤師が調剤し分包機で分包しています。
 調剤室は従来3名程度で調剤/監査を行っていましたが2~2.5人で可能となり注射の払い出しも同じフロアになったこともあり調剤/注射払い出し/監査を4名の薬剤師(一部事務員)で行っています。
 特に小児科の複数ある処方や当直時の薬剤師1人しかいない時など様々な場面で調剤業務を支えてくれています。
 電子カルテからのオーダー情報に基づいて、薬剤師が処方監査後に速やかに散薬調剤が行え、ヒューマンエラーの軽減、調剤業務の効率化となる新たなデバイスの1つです。
調剤システム構成図を追加しました。残りの機器説明も順次作っていきます。
(半年使って一番助かったのは当直時です。1人調剤時ではオーダー情報で監査後実行すれば分包までしてくれているので非常に助かります。)
                                   岡谷市民病院 伊藤

  • 散薬調剤ロボット DimeRo:ディメロ

    散薬調剤には散薬調剤ロポットと散薬分包機で調剤。業務比率は6:4前後。散薬分包機は処方頻度が少ない医薬品やつぶし等に使用。

  • 散薬調剤ロボット DimeRo:ディメロ

    調剤カセットが選択されると通常の分包機と同様に分包を始めます。散薬の量は分包前の重量と分包終了後の重量差で行います。

  • 散薬調剤ロボット DimeRo:ディメロ

    1処方に対して最大6薬品まで同時分包が可能となっています。

  • 散薬調剤ロボット DimeRo:ディメロ

    このような調剤デバイスの登場と情報システム(電子カルテ、オーダリング等)との連携により効率化やリスク軽減など様々なメリットが生まれ、従来の調剤業務から新たな業務展開へとなっていけるものだと思います。